メンズ長財布におけるイタリア革の人気の秘密

メンズ長財布におけるイタリア革の人気の秘密

イタリア本革とは?

イタリア革はアメリカのシェル・コードバン、英国ブライドルレザーと共に知られる三大レザーの一つです。

人類が革を作り始めた歴史は長く、紀元前3000年前まで遡ります。この頃は寒さから身を守るため、動物の皮を剥いで着用していましたが、皮は時間が経てば乾いてきて硬くなってきます。

人間の皮でも日焼け跡の皮がめくれた状態のものはパリパリに乾いて硬くなるのと同じです。
そこで、皮が硬くならないように風合いを持つため、植物の皮などを原料としたなめしと呼ばれる工程で動物の「皮」から人の手で加工された「革」へと姿を変えました。

それが植物タンニンなめし(ヌメ革)の始まりで紀元前8世紀頃に革製品と革なめしの技術が イタリアにも伝わったようです。

イタリア革の中でもトスカーナ地方で製造される植物タンニンなめし(ヌメ革)のレザーは、中性からその伝統技術を守り継いだ世界随一のレザーです。

バケッタ製法と呼ばれる、伝統製法を継承した製法で植物タンニンだけを使って革を鞣し、天然オイルをたっぷりと加えて何ヶ月もかけてじっくりと仕上げてゆくというもので、特徴は何と言っても、そのエイジング(経年変化)の素晴らしさで時間を重ねるたびに色味と風合を深め、光沢が滲み出てくる。強靭な革質ですが、オイルをたっぷり含んでいるため手触りはしっとりソフトな感触なのも高級革の証です。

代表的なイタリア革

イタリア革は古くからミラノやパリに代表されるヨーロッパ中のメゾン(ブランド)の厳しい要求に応えるため革の色合いは極めて美しく、派手なものからシックなものまで多様です。風合いや革の硬さも使用する用途に応じて合わせて作られています。

紳士向けのメンズ革製品向けならカチッとした硬めの革が多く、長財布や二つ折り財布、名刺入れや キーケース、パスケースなど紳士物のメンズ革製品に欠かせない革素材として人気です。

イタリア革で代表されるブランド革は「ブッテーロ」と「ミネルバリスシオ」でそれぞれ見事な発色と風合いを誇っています。二大ブランドは同じ植物タンニンなめし(ヌメ革)で作られた革ですが、それぞれ違う特徴を持っています。それではその特徴を見ていきましょう

ヌメ革の王様と呼ばれる【ブッテーロ】

イタリアのトスカーナ州フィレンツェにある老舗タンナー・ワルピエ社で代々伝えられた伝統的な技法により、時間を惜しまずこだわりを持って作られた最高級イタリア革です。

植物タンニンのみでなめされたヌメ革は繊維密度が高く、ハリも強いのが特徴のひとつです。丹念な磨き加工により、その表面(銀面)はきめ細かく吸い付くような手触り、美しき発色、時を経るとともにエイジング(経年変化)し、味わいを増す艶感が人気の革です。

その品質は世界中の革を愛する方から高い評価を受けています。
素材の名前であるブッテーロが、ひとつのブランド名になっていることからも『ヌメ革の王様』と呼ばれる理由がわかります。ハリがあってしっかりした硬めの革質は、特に紳士物(メンズ)の長財布や二つ折り財布、名刺入れ・キーケースなどの革小物に適していてカッチリした雰囲気が見事に高級感を漂わせています。

メンズ長財布におけるイタリア革の人気の秘密

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イタリア語で『滑らか(liscio)』と言う意味のミネルバリスシオ

「ミネルバリスシオ」は古代のタンニンなめし製法“バケッタ製法”をイタリアの革職人バダラッシィ(現:イタリアトスカーナ州のタンナー BADALASSI CARLO社)が当時の文献を読み忠実に再現した伝統の革です。

近年では研究が進み素晴らしいタンニンなめしの革が多く存在します。
それと大きく違う点は通常使用するオイルは植物か魚を原料としたものが多いが、ミネルバリスシオは牛脂が入ったオイルを使用します。牛脂は革に浸透しにくく時間とコストがかかってしまうのですが一度浸透するとオイルが抜けず、ほぼ永久に潤いがあって艶がある革質を楽しむことができます。

使い込むにつれ、ツヤが増し、色が濃くなって、革の風合いと変化が楽しめる究極の革です。また「ミネルバリスシオ」は繊維が引き締って密なためかなり強靭であり、擦り合わせると“キュッ”と心地よい鳴き声を上げることで「鳴く革」としても知られています。

「ミネルバリスシオ」は滑らかという意味の洗練されたスムースレザーが魅力の革で、植物タンニンレザー(ヌメ革)の特徴であるハリがあってしっかりした硬めの革質にしっとりとしたオイルレザー特有の滑らかさが見事な風合いをもたらせてくれます。

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「傷が気になる」方にも「オイルレザー」のコーティング

オイルレザーは傷付きやすく傷が目立ちやすいという欠点を持っている反面、非常に優れた復元力を持つ革であることも知られています。乾いた布などで磨くとで、オイルレザーに含まれているオイルが表皮を覆い、コーティングしてくれます。

つまり、お手入れ次第で小さい傷は気にならないレベルにまで治まりますし、かえって豊かな表情を見せたりすることもあります。念入りにお手入れをすればするほど、きちんと応えてくれる革が、オイルレザーなのです。

イタリア本革×日本の革職人

近年では、イタリア革に日本で作られた国産の長財布が人気になっています。もちろん日本の革のクオリティも素晴らしいですが、イタリア革の発色を生かした長財布は日本人の心を掴み、欠かせない革製品となっています。

イタリア革がもたらす最高級の「オイルレザー」はその素材の素晴らしさから、多くの日本の革職人に使われています。良い素材を使えば美味しい料理になるのと同じで革が素晴らしく、そこに技術力のある革職人の技が加わったら…

イタリア革を生かした長財布がこれからも日本の革製品を支えて発展して欲しいものです。

まとめ

昔からイタリアの文化と日本の文化は合っているようで、多くのものが日本に入ってきて栄え、また日本のものがイタリアでも栄えています。イタリア料理は日本人が最も愛する料理のひとつで、ファッションに置いてもイタリアンファッションの影響を色濃く受けています。

革製品も例外ではなく、見事に日本の革職人の手業の器用さと融合され長財布などの革製品は作られています。イタリア革は時間を掛けてじっくりと天然成分のみで作られていますので、そのエイジング(経年変化)をぜひ、楽しんでいただきたいともいます。

女性から男性へのメンズプレゼント(ギフト)選びのご参考にもなれば幸いです。革製品は名入れ(名前入れ)刻印が可能なものも多いのでオリジナル感も出て、喜ばれると思います。お気に入りの財布を見つけて長らく愛用していただければと思います。