革職人手作りの長財布と量産品はなにが違うのか?

革職人手作りの長財布と量産品はなにが違うのか?

手作りにこだわる革職人:高橋秀行

機械での量産品と革職人の手作りによる長財布との品質の違いは?腕の良い革職人はどこにこだわりを置いて製作しているか、長く使える耐久性に優れたハンドメイドの長財布

長財布は革小物の中でももっとも工程が多く、それゆえに革職人の技量が問われる製品でもあります。
現在では機械化が進みほとんどの工程を機械で製作することができますが、機械と革職人の手作りによる長財布ではどのように違ってくるのか? 多くの場合は

耐久性に差が出てきます

これは革職人に限ったことではなく、家を建てる場合でも熟練の大工さんが建てた家は長い時間が経っても作りはしっかりしている。和物のお椀などの漆器でも何度も何度も同じ工程を繰り返えされているため強度も増すということになります。
これは革製品でも同じで腕の良い革職人が丹精込めて作られた長財布は耐久性に優れているものが多いのです。

革職人手作りの長財布と量産品の長財布

職人技というのは量産品と対極に位置していて、量産品は限られた時間とコストでより多くの商品を作るというコンセプトのもとに製品つくりが行われています。
つまりは

数を生産することにより単価を下げる

ということになります。単価を下げるということはお財布の面でお客様に喜ばれ価格の割には良い機能、良いデザインだとコストパフォーマンスの高い商品として消費者に広がっていきます。
ここで大量に販売したいと広告費などでコストをかけてしまい、それを商品に上乗せしてしまうと、安いコストで製作された長財布を安くない価格で販売してしまわなくてはいけなくなり、値段の割に安っぽいとか品質が良くないなどのコストパフォーマンスの悪い商品として認知されていきます。
価格の安い製品や食べ物などの場合は、消費者は安いのに良いということに満足感を覚えます。回転すしはその典型で「安くておいしい」「この素材でこの価格」といった感想になります。この安さを実現しているのは

機械化による人件費カットと売れる素材の大量買い付けです。

これに対し熟練のすし職人の握る寿司は素材そのものと、素材を引き立てるシャリやタレ、焼き方、煮方にこだわり時間をかけて下処理や加工をしています。

ひとつの寿司にかける時間と材料費が商品の価格となります。

価格は高くなりますが、こだわり抜かれた「ひとつの作品」に価値があるのは当然のことといえます。長財布を作る革職人でも同じでこのように革職人手作りの長財布と量産品の違いはあります。

革職人手作りの長財布と量産品|どちらを選択するかは消費者次第

革職人手作りの長財布と量産品はなにが違うのか?

一日2個しか作れないこだわりの長財布

価格的にうれしい量産品と高級な革職人手作りの長財布、どちらにするかはお客様次第でそれは

値段を重視するか。品質を重視するか。

です。 「どうせ買うなら高価なものでもこだわりのある長財布が欲しい」という人や「長財布はそこそこでいい」という人「良いものだけど価格が…」など色々な人がいるのは当然のことです。
長財布に限らずモノには価格と品質の違いが必ずあり、年齢を重ねて様々なモノを見ていくうちに養われていくのは大人の男性に近付けたようでうれしくもあります。
革職人の培われた技法と、素材を知りつくした目利きによって選び出された革から生み出される長財布は熟練のすし職人の作品のように一度、味わってみたいものです。

革職人手作りの長財布のこだわりのポイントは?

革職人手作りの長財布と量産品はなにが違うのか?

革が良いとできない、フタの裏側をそのままデザインにした長財布

 

長財布の品質を見極めるポイントは大きく分けて2つあります。それは

革の質と縫製を含めた加工の技術

です。 素材が良ければ良いものを作れる可能性は広がります。これも料理と似ていて素材を知るつくしている職人は素材を引き立てるために自らが培った技を作品に込めます。

つまり革の良さを邪魔する細工はしないのです。

長財布でも革がすばらしくこだわりを持って作られた高級革なら、革の良さを一番として考え、それに引き立つ加工をしていきます。 シンプルイズベストは実は熟練の職人だけが用いることができる自信の表れなのかもしれませんね。