イタリア語で『滑らか liscio』を意味するミネルバリスシオ革:長財布その魅力とは

イタリア語で『滑らか liscio』を意味するミネルバリスシオ革:長財布その魅力とは

前回は「ブッテーロ」について触れましたが、今回は同じイタリア革で知る人ぞ知る究極の革「ミネルバリスシオ」について迫ってみたいと思います。

「ミネルバリスシオ」は古代のタンニンなめし製法 “バケッタ製法” をイタリアの革職人バダラッシィ (現:イタリア トスカーナ州のタンナー BADALASSI CARLO社) が当時の文献を読み忠実に再現した伝統の革です。

時間と手間が大幅にかかってしまうため量が作れず、希少価値の高い革なのです。 現在も牛のショルダー部を使用し、昔ながらのバケット製法で作られており、100%植物性タンニンでなめされています。

近年では研究が進み素晴らしいタンニンなめしの革が多く存在します。それと大きく違う点は通常使用するオイルは植物か魚を原料としたものが多いが、ミネルバリスシオは牛脂が入ったオイルを使用します。牛脂は革に浸透しにくく時間とコストがかかってしまうのですが一度浸透するとオイルが抜けず、ほぼ永久に潤いがあって艶がある革質を楽しむことができます。

使い込むにつれ、ツヤが増し、色が濃くなって、革の風合いと変化が楽しめる究極の革です。また「ミネルバリスシオ」は繊維が引き締って密なためかなり強靭であり、擦り合わせると“キュッ”と心地よい鳴き声を上げることで「鳴く革」としても知られています。

「ミネルバリスシオ」は滑らかという意味の洗練されたスムースレザーが魅力の反面、元々生き物である牛皮ゆえの傷や虫刺されの跡などが残っている場合が多く、一枚の革でも使える箇所が限られてしまいます。 特に面積が大きい長財布ではそういった箇所を避けて裁断しなくてはいけないので希少な革製品となります。

使えない部分が多くロスも多いため取り扱うブランドもそれほど多くなく、「ミネルバリスシオ」にシボ(皺)加工を施し傷などが目立ちにくい「ミネルバボックス」の方が取り扱いブランドが多いのが現状です。知る人ぞ知る革「ミネルバリスシオ」という所以となります。

革の「床」部分の美しさが良い革の証

ミネルバリスシオは革の密度が高く上質。それは床面をみるとその密度がわかります。

「床」とは革の裏側、革の床面の繊維の細かさは良い革の証で、床部分までも綺麗な革はそれほど多くありません。 その「床」の部分をわざと見せデザインにしている商品があります。ミネルバリスシオを最大限に生かすためのこだわりが作らせた長財布です。

長財布の“フタ”部分を床革にし、縫い目が無く美しい革の質感だけを堪能できるよう 一枚革にこだわり、裏面に革の張り合わせをしていません。

そのため、革の裏側《床面》も美しい物を使用しなければならないので、必然的に繊維の詰まった最も上質な部分を使用しています。 さらにフタ部分を美しく仕上げるために「磨き」という技術で革の「床」を美しく仕上げています。革好き財布好きの方からも絶賛されるシンプルかつ美しいデザインをコンセプトとする革職人:高橋秀行氏ならではの作品に仕上がっています。

イタリア語で『滑らか liscio』を意味するミネルバリスシオ革:長財布その魅力とは

革の「床」部分の美しい長財布

革職人:高橋秀行氏が一点一点手縫いで作り上げる「作品」を楽しむ

革職人:高橋秀行氏の自らの作品に対するこだわりは凄まじく、一切の妥協と無駄を省きます。

ステッチも必要な箇所のみ、もちろん強度を計算しながら長く愛用できるよう設計されていきます。コバ磨きに至っては普通の人にはわからないレベルでも納得がいかなければやり直すという姿勢は崩しません。クリスマスなどのギフト繁忙期などでは店長の私が「この人寝てるのかな」と心配するほどです。

「ミネルバリスシオ」革の魅力を引出し、シンプルイズベストを追及する革職人:高橋秀行氏とは常に新商品の開発を行っていて、今後皆さんに喜んでいただける革製品を続々と登場させる予定です。彼に関しては語りきれないほど多くの話題がありますので、また時折お話ししたいと思っています。この商品はこうして生まれたなどの裏話はまたの機会のお楽しみに!

名入れ(名前入れ)可能でメンズプレゼントに人気!

人気の【Lutece メンズライン】は長財布だけでなく名刺入れ・パスケース・キーケース・コインケースも販売しています。(今後もラインナップは増える予定です)

名入れ(名前入れ)も承っていますのでプレゼント(ギフト)にもおすすめします。 革製品、特に財布や名刺入れ・パスケース・キーケース・コインケースといった日常的に使う革製は、プレゼントの定番です。

もらって嬉しいメンズプレゼントのランキングなどを見ても、常に人気が高いアイテムです。

「傷が気になる」という方へ 優れた復元力を持つ革「ミネルバリスシオ」

ブッテーロ革でも触れましたがミネルバリスシオ革も、傷付きやすく傷が目立ちやすいという欠点を持っている反面、非常に優れた復元力を持つ革であることも知られています。乾いた布などで磨くことで、ミネルバリスシオに含まれているオイルが表皮を覆い、コーティングしてくれます。

つまり、お手入れ次第で小さい傷は気にならないレベルにまで治まりますし、かえって豊かな表情を見せたりすることもあります。 念入りにお手入れをすればするほど、きちんと応えてくれる革が、ミネルバリスシオ革なのです。

イタリア語で『滑らか liscio』を意味するミネルバリスシオ革:長財布その魅力とは

高橋秀行氏手縫いのイタリア本革「ミネルバリスシオ」長財布

まとめ

【ミネルバリスシオをおすすめする理由】

● 伝統的な技法により、時間を惜しまずこだわりを持って作られた最高級タンニンレザー

● 時を経るとともにエイジング(経年変化)し、味わいを増す艶感が人気

● イタリアらしい美しい発色

● 繊維が引き締って密なため強靭であり、擦り合わせると“キュッ”と鳴き声を上げる「鳴く革」

● 革の「床」部分の美しさが良い革の証

● 牛脂が入ったオイルが革に浸透。優れた復元力を持つ革「オイルレザー」