メンズの長札入れに求めるものとは!薄さと革のこだわりと日本製。

クォリティの高い長札入れとは

メンズの長札入れ。ダンディな雰囲気漂う大人の男性の長財布。
長札入れを一応説明しますと、小銭入れなしのカード段と札入れのみの長財布です。

主に薄いタイプの長財布が多数派ではありますが、現金派のお金持ちの男性用にマチが大きく開く百万以上入るタイプもあります。現金派の男性はカードの枚数が少ないかもしれないので、このタイプはカード段が少ないかもしれません。ルイヴィトンやグッチといったハイブランドやインポートものの海外ブランドが多く扱っています。

多数派である薄型の長札入れは逆にハイブランドやインポートものの海外ブランドが少なく、日本製のしっかりした作りの革生地にこだわったものが多いイメージです。

今回はメンズの長札入れに求めるもの。どのようなこだわりを持ってお客様は購入されているか。そこで見えてくるクオリティの高い長札入れに迫りたいと思います。

薄い長財布であること。ササマチを愛す

やはり長財布は薄い構造になっていること。スーツの内ポケットに入れて持ち歩くなら尚更です。入れていて胸元が邪魔な感じになったり、重く感じるのでコンパクトに整理することをおすすめします。

そこで薄い長財布の愛好家の男性はマチの形にこだわります。もちろんササマチです。
ササマチというのはカード段と一番奥の革をくっつけて、札入れを作ろうとするときのマチ部分です。横から見るとVの形をしていて財布の底部分にいくほどスリムになっていく構造をしています。

薄い長財布の愛好者はこの「ササマチ」を知っていて、財布自体の見た目の綺麗さ・スタイリッシュさを優先するならササマチを選択し、気に入った形であるかどうかを見極めているのです。

革の生地についての知識とこだわり

古くから長財布を使っている男性は革を良く知っていてこだわりも多い。これは当然、何回も財布を買い換えていると前の財布の悪い点が浮かび上がってきて、次はもっとその次はもっとと学習してきます。

本格志向の長財布なら行き着くところは革素材であるともいえます。植物性のタンニン剤でなめされたバケッタレザーとも呼ばれる革は時間をかけてじっくりとなめされているために、革の中の繊細な繊維も壊れていません。これがエイジングといわれる革の経年変化を見事なものとし、育てる革として革好きの男性の心を捉えています。

「百聞は一見にしかず」革には色々な種類がありますので、気に入ったものから使っていくことをおすすめします。何十年後かには革に対するこだわりが語れるときが来るかもしれません。私もまだまだですので、お客様と一緒に語らえる日が来たら本当に最高ですね。

手縫いならその長財布は最高級品

革が素材だとしたら、それに調理を加えるのが革職人の仕事です。
良い革職人は良い素材を好み、良い素材を吟味し、それを最大限に生かす形で自分の技を加えます。そっと自然に誇張することなく。

革を縫製する過程においても素材の美しさを最大限に生かすなら、縫う箇所も少なくステッチによってうるさくならないような印象にしなければいけません。それは無駄を省いたデザインにもなります。

ミシン縫いの目的は効率化にあって早くその商品を仕上げるという目的があります。しかし縫製にはもうひとつ古くから伝わる手縫いという技術があります。

手縫いは一針一針革職人が歩を進めるように革と向かい合いながら縫っていきます。
革の手縫いの場合は布生地のように間違ったとしても縫い直しが出来ません。穴が残るからです。ですので予め縫う箇所に目打ちと呼ばれる道具で穴を開けてから縫い進みます。

ステッチの幅はそれぞれの革職人の特長と腕によって決まりますが、ステッチの幅が細かいほうが綺麗に上品に見えます。丈夫さにおいても1箇所がほつれても、そこで止まる縫い方をしていますので細かい目のステッチのほうが優れているのかもしれません。

細かいステッチの縫い目の手縫いはとても難しい仕事で、それが最高の革素材を邪魔しないようにそっと入っているなら、その長財布は最高級品とみて間違いはないでしょう。

日本製であること。革職人の技が詰まっているか

革の加工は縫製だけではありません。多くの細かい過程を経て完成していく技術の結晶です。
細かい作業は主に長財布などの革製品の装飾の部分で、読んで字のごとく「飾り」です。飾りは別に必要ではなく、なかったとしても商品として長財布として成り立ちます。

時間とコストがかかるために、それが高価格の原因にもなりますが、男性の小物には古くからこの装飾を大切にしてきています。特に日本人は細やかな作業をコツコツと時間をかけて、毎日同じことを繰り返すことができる唯一の民族です。着物や帯などの衣類や畳や欄間などの住宅、素材を無駄にしない食事。昔からの衣食住にもそれは備わっています。

日本製であること。いかに革職人の技と装飾が詰まっているかということも分かってくれば一段と長財布を見る目が変わってきます。

長く愛用できるか。使い方とお手入れ

気に入った革の長財布が見つかればそれを長らく愛用したいところですよね。
それを実現するには使い方とお手入れです。

使い方というのは、長財布の場合は負担のかかる持ち方は控えるということです。
負担のかかる持ち方というのは、わかりやすいのがパンツの後ろポケットに入れて持ち歩くことで、座るたびに重量がかかり、出し入れするときにこすれます。

では、負担の少ない持ち方はスーツの内ポケットに入れるか、バッグに入れて持ち歩くかになってきますが、それも完全ではありません。細かなキズはどうしてもついてしまいます。革の素材が良く中にオイルやロウ引きなど光沢が出るものが塗り混ぜているなら、細かなキズもそれが味になって使うほどにエイジング(経年変化)も楽しめるでしょう。

お手入れはすればするほど応えてくれますので、乾いた布で拭いたり、革用ブラシでブラッシングしたり、革用の保湿クリームで磨いてあげると艶感が増してきます。

お手入れを趣味のように楽しむことができると長財布に対する愛情も深まり、気に入った持ち物を楽しむという自分だけの優越感も得ることができるかもしれませんね。