革製品:財布におけるお手入れの方法を知ろう

革製品:財布におけるお手入れの方法

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革製品、特に財布の場合は毎日使うものとして、その分消耗も激しくなります。
こまめに丁寧にお手入れできる人ならいいですが、なかなかそうはいかないですよね。
靴なら目立つので手入れをよくしていけも、一日の内で登場シーンの少ない財布ならついつい忘れがち。気が付いたらこすれが目立っていたり、色艶や保湿が足りなくなっている場合もあります。

ですが、そこで気が付いていても上質な革ならまだ十分に間に合います。
「上質な革」というのがやはり鍵になっていて、コットンやシルク、木材にいたるまですべての天然成分で作られた素材には「格付け」というのがあって、それに見合った加工方法を経て私たちの元にやってきます。もちろん元は動物の皮であった革製品も同じです。

あまり良くない革というのは、色付けといわれる染めも革の表面程度で、それに潤いと艶を与えるためにニスのようなコーティングをして綺麗にしています。革の世界では化粧とよばれる表面加工です。もちろん加工時間も短いので、革生地の価格も安くそれを財布などの製品にした場合も安く作ることができます。

そういった革の気をつけなければいけない点は、お手入れをしても保湿剤の潤いだけで革の中には吸収せず、また元のように乾いたようになります。乾いては塗り乾いては塗りを繰り返すと潤いの保ちが良くなることは確かですが。最初の値段が安かった分長持ちは…というのがデメリットでしょうか。

高級革はお手入れに向いている革

上質な革、簡単に言えば高い革、高級革のことですが、これらは何が違うのか?
財布によく使われるオイルレザーやロウ引き革などの高級な革も、値段が安い革も実は元は同じ革なんです。カーフやキップ、ステアハイドなどの生後何ヶ月や何年以内の牛革を除いては、すべて食肉用の副産物として得られる同じ牛革なのです。

各タンナー(革の作り手)はそれを入手して、それぞれの加工方法で革に仕上げていきます。

そこで薬品を使い工程と時間を短縮して安価に作られた革もあれば、天然の植物性のなめし剤のみで時間をかけてじっくりと革の繊維を壊さず作られた革もあります。革の繊維が壊れていないということは当然、色付けの染料も革をやわらかくするオイルも吸収しやすく、長く使っていてもお手入れ剤の吸収がよい訳です。

革好きの人はそれを知っていて、お手入れに応えてくれる高級な革や以前に使ってみて良かった革を大切に使い続けているのです。

オイルレザーやロウ引き革のお手入れについて

オイルレザーやロウ引き革は天然の植物性のなめし剤のみで時間をかけてじっくりと革の繊維を壊さず作られた革(ヌメ革といいます)で艶を出すための加工方法がそれぞれ違った特色を持っています。

高級革は長く使っても艶が損なわれないように作られていますので、本当は何もせずとも艶感は保たれます。革好きの人や革業界の人で潤いを保つ方法として有名なのが「しょっちゅう撫でる」という原始的な方法?で、これにはちゃんとした意味があって、手の脂と革の潤い成分が溶け出すというものです。愛おしくなでなですると応えてくれるというのはどうやら本当のようです。

オイルレザーの特長とお手入れの方法

オイルレザーは各タンナーによって独自にブレンドされたオイルを革にたっぷり浸み込ませています。オイルレザーの倍ほどの多量のオイルを浸み込ませたものをプルアップレザーといい、指で押すとその部分の色が変わり中のオイルが移動するのがわかるほどです。このオイルレザーはもうお分かりの通り、中のオイルによって革に艶感が保たれ特にお手入れをせずとも潤いは保たれます、もちろん保湿剤でたまにお手入れをすればより一層輝きは増していきます。

ロウ引き革の特長とお手入れの方法

ロウ引き革は、ヌメ革にろうそくと同じ性質のロウを何層にも時間をかけてじっくりと塗りこんでいきます。乾いては塗り乾いては塗りの繰り返しで、体温と同じようなやさしい温度に溶かして塗り込んでいきます。このロウが乾いて革の色に混じり合い、最初の頃は白っぽいトーンの革色になります。

ですが、この薄曇りのようなロウは使っていくうちにすぐに革の中に吸収され、奥に隠れていた青空のように見事に潤いを持った革色になっていきます。最初は白っぽくてもいつの間にか白さは消え艶感たっぷりの美しい革に成長していくのがロウ引き革の特長で、根強いファンが多いことでも知られています。この革も保湿剤でたまにお手入れをすればより一層輝きは増していきます。

お手入れをしてほしい箇所とは…

財布などのお手入れをする際に必ずしてほしい箇所があります。
一番はもちろん頻繁にこすれる箇所でバッグやパンツのポケットに常に当たっている部分です。

人間の肌と同じように、その部分ばかり負担がかかっていれば弱くなります。その部分は特に念入りに保湿してあげましょう。
次は折り財布の裏側の二つに折れる箇所です。ここも毎回毎回折られていますので負担が激しくなります。どうしてもシワになってしまうこともありますので、念入りに保湿してあげましょう。

第三に忘れてはいけないのがコバ(革の切れ端)の部分です。コバは裁断した2枚以上の革を貼り付ける役目であり、そのまま切れ端の状態にしておくとボソボソになってしまうので、コバ磨きという処理をしていきます。この処理がいい加減だとめくれてきたり、革の繊維が剥がれてしまいます。

この部分の処理が実は革職人の腕の見せ所で、丁寧に磨かれていれば長持ちもしますし、つるつるしていて触り心地も良いです。

丁寧に磨かれているコバも毎日使っていると消耗が激しくなりますので、適度に革の保湿剤を塗ってあげると艶もよくなりますし長持ちもします。

革のお手入れ剤はどれがよいのか?

よく聞かれる「革のお手入れ剤」はどのようなものが良いですか?と質問ですが、当店は革職人さんたちが作るレザーセレクトショップですので、使っている革も多種多様ですので一概には応えにくい部分ではありますが、ドイツのザルツェンブロット社の創業100周年を記念して、2009年に創業年を冠したコロニルの最高級ラインとして販売されている“コロニル 1909シリーズ”を推奨しています。世界で愛用されているレザーケアアイテムのトップブランドです。

乾いた布などに少しだけ付けて、徐々に試していかれることをおすすめします。
気付いたときにたまにお手入れをすれば、革製品も綺麗になりますし気分も楽しくなるものですよ。

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