濃い色の革には光沢感と渋みのあるエイジング

前回は【明るい色にこそ革のエイジングの醍醐味が感じられる】というタイトルでヌメ革の中でも明るい革色であるレッド、ブルー、オレンジ、パープル、グリーンのエイジングについて述べましたが、濃い色のエイジングも大人の深みが感じられて素敵です。補足の意味も込めて今回は、濃い色の革のエイジングについてです。よろしくお願いします。

濃い色の革の代表格といえばブラック、ダークブラウン、ネイビーです。
この3色は日本人が好きな革色でそれに合わせてほとんどの革製品のお店が扱っているカラーです。人気の理由は

どんな人でも合わせやすい色でプレゼントしやすい色

であるからです。人気の順はダークブラウンとネイビーが東西の横綱でブラックが大関という位置づけです。ブラウン(茶)系もネイビー(青)系も色々あってブラウン(茶)系ではライトブラウンやキャメルといった明るめの色よりダークブラウンやレッドブラウン(深めの赤茶)のほうが人気があります。

ネイビー(青)系も濃いめのブルーから黒に近いダークネイビーまで幅広く人気があり、濃い色の人気は不動のものとなっています。

イタリアが誇る二大ブランド革のブッテーロやミネルバリスシオでも同じでブラウン(茶)系、ネイビー(青)系、ブラックは三大勢力です。

「ヌメ革を使用した革製品」売れ筋ランキング

1, イタリア本革ブッテーロ:濃い色の革のエイジング

前回のコラムで明るい色の革の場合は、最初はよちよち歩きで次第に育っていき、大人になり円熟期を迎えていく。そんなイメージですとお伝えしましたが、濃い色の革のエイジングの場合は、大人から始まり円熟期を迎えていく。というイメージです。

最初から大人の渋みが感じられる色合いですが、使っていくうちに次第に艶感と深みのある色合いがプラスされ円熟の時を迎えるということです。

確かに子供時代から何段階ものエイジングを重ねる明るい色の方が経年変化だけを楽しみたいなら上ですが、深い色には早い段階から渋みのあるエイジングを楽しめるのでこちらもおすすめです。

深い色は具体的にどのようなエイジングをするのかというと、ブッテーロの場合は最初は艶感の少ないマットな色合いですが、艶が増してきて見事な光沢が全体を包んでいきます。

革の中にオイルをたっぷり浸み込ませたヌメ革の中でもオイルレザーといわれる上質な光沢は、一目で高級革であるとわかります。使い込んでこそ成長していくのが高級ヌメ革といわれる理由であるといえます。

2, 頑丈なヌメ革を味わい尽くす|濃い色の革のエイジング

濃い色の革のエイジングは光沢感を楽しむ大人の男性の密かな楽しみというところですが、 エイジングは使っている間に徐々に訪れるものであり、それに伴う細かな傷は気になさらないほうが良いと思います。

毎日使っていればどうしても傷はつくもので、もちろんなるべく傷をつけないようにするというのも素敵なことで、そういったエイジングも綺麗とは思いますが、ブッテーロは頑丈で男性らしい風合いも魅力的なヌメ革ですので、ぜひガシガシと使っていただくことをおすすめします。