大手百貨店、販売のプロに聞いた!長財布を見極めるポイント(2)内装の革を見る!

大手百貨店、販売のプロに聞いた!長財布を見極めるポイント(2)内装の革を見る!

参照:上の写真の長財布、内側も表もすべて同じ革の長財布はコチラ

本当に高品質な長財布はココでわかる

革の長財布を見極めるポイントはどこ?
大手百貨店の革小物担当の方とお話しを伺った時の意見をもとに、販売のプロはどこを見ているか?!、おススメする理由は?など一目でわかるポイントをご紹介。

次のポイントは中の革です。
中の革にどんな革を使用しているか、革職人にこだわりがあるか、それともシビアな話ですが原価を抑えようとしているかがわかってきます。

見極めポイント<2> 長財布の中の革

表の革と、内側の革が同じ革を使っているのが一番いい!

まず長財布なら一番いいのが表の革と同じものを裏側にも使用しているものです。 逆に言えば表の革と同じものを裏側に使用していないというのは理由があるんです。

一番多いのは原価を抑えたいという理由です。
例えば表革はコードバンやオーストリッチなどの 高級そうで有名な革で裏側が全然違うヌメ革か革以外の布地などをしようしているケースです。
これは表地と同じ革を中にも使用すると圧倒的に原価が高くなるということです。
この場合、気をつけなければいけないのは中の革や布生地の良し悪しです。中に何を使用しているのか記載してないものも多く、これでは商品自体の品質が危ういです。

「ヌメ革なら大丈夫」が落とし穴?!

ヌメ革も良いものとあまり良くないものがあり、なかなか普通では見分けがつきにくくなっています。 あまりよくない品質のヌメ革だと使っていくうちにところどころに日焼け跡のような褐色の跡が出てきたりします。つまりまんべんなく綺麗にエイジング(経年変化)するのが難しいという点です。

良いヌメ革だったとしても長く使っていくうちに、表革と中の革とのエイジング(経年変化)具合にどうしても差が出てきたりします。
布生地だと敗れてきたり薄くなってきたりしますので長く使くのは不向きかもしれません。

そういう理由から革と同じものを中側にも使用しているというのがベストということになります。 しかし、作り手の革職人からすると中にも表革と同じ革を使うと原価が高くなり、商品自体の価格も高くなりかなり価格の高い財布になりかねません。価格を鑑みなければ良い革製品は作れますが消費者に受け入れられなければ販売する者として失格です。

革を知る人が見ている点は、どこまで表地と同じタンニンレザーを使っているかということです。 カード段の裏側などは革の厚みをできるだけ薄くしなくてはなりません。ですが薄くなれば耐久性がよくなくなるので違う革や布生地などを使用するのが現実的です。

国産の豚革は丈夫で摩擦に強く、常に開閉する財布に最適!

そこで薄くて丈夫な革、主に豚革が重宝されます。
特に国産の豚革は世界一ともいえる クオリティの高さを誇っています。丈夫であるということでも折り曲げたりして摩擦が多い開閉部に適しています。 タンニンなめしの豚革ならさらにすばらしく、表地のタンニンレザーと同じように時と共にエイジング(経年変化)していきます。

軽いという点も長財布自体が重すぎないということもうれしい点です。豚革でなくても摩擦に強い軽い、エイジング(経年変化)が可能ならベストといえるでしょう。

一枚革!裏に革を張り合わせ無しの構造が理想的

中の革が1枚になっている構造、つまり革の床面(裏側)をデザインとしている財布だと厚みも1枚分だけですのでこの心配はなくなります。

また革の床面を見せることができる革は非常に稀でその革が素晴らしい加工をされているというのは間違いない証です。

表の顔だけでなく中の顔もよく見なければいけないのは人間だけでなく、財布も同じようです。

▼次の記事へ
大手百貨店、販売のプロに聞いた!長財布を見極めるポイント(3)日本製であること 大手百貨店、販売のプロに聞いた!長財布を見極めるポイント(3)日本製であることを見る!