名刺入れ品質を見極める4つのポイント!最高級名刺入れ細部の技法について

名刺入れ品質を見極める4つのポイント!最高級名刺入れ細部の技法について

名刺入れは毎日使うものであり、ビジネスの場で自身の顔ともいうべき名刺を入れておくものとしてこだわりの強いアイテムです。
名刺入れにも金属製や木製、革製、合皮、布生地など様々な素材を使って、デザインもありとあらゆる形があり工夫を凝らしたものが販売されています。

価格に関しても百円ショップで買えるものから数万円もするような高級品まであり、今回は名刺入れの品質について最高級の名刺入れといわれるものとはどういうものなのか。革の値段ってどういうふうに決まるか?ということについて考えていきます。

彼氏や旦那様へ日頃の労をねぎらうためにも、できるだけ良い名刺入れを贈りたいと思っておられるメンズプレゼントを探しておられる女性の方の参考になればとも思っています。

ハイブランド品を除き多くの革製品の品質を見極めるポイントは主に4つの要素があると考えられます。

1,革の質 2,縫製 3,細部の技法 4,機能性

名刺入れ品質を見極める4つのポイント!「1,革の質」編、「2,縫製」編に続いて今回は「3,細部の技法」についてです。

最高級名刺入れ「細部の技法」は革職人からの付加価値

最高級名刺入れを語る上で一番品質がわかるのは今回の細部の技法にあるといえます。 具体的な細部の技法については後ほどお話ししますが、わかりやすくいえば

商品に高級感を出す装飾です。

この装飾が実は名刺入れなどの革製品においては重要な部分で、畳でいえば縁で、刀では目貫(装飾化された持ち手部分)のような箇所で畳や刀などこだわりはあるが一見シンプルなものに装飾という存在により物自体が華やいで見え高級感を醸し出します。

これらは付加価値といて商品に見事にマッチしなくてはならないものとして認識されています。名刺入れなどの革製品においても派手な装飾ではありませんが、隠れた技は使われていてそれを見つけ出すのもまた最高級の名刺入れの楽しみでもあります。

最高級名刺入れは一味違う。 革の端部分の処理

革の端部分は切りっぱなしではボソボソとしてきたり、そこが割れてきたりするので何らかの処理をしなくてはいけません。それが端の仕上げで仕上げ方法は主に2つあります。

ヘリ返しと、コバ磨き(切り目)です。

最高級名刺入れ|ヘリ返しとは?

ヘリ返しはその言葉通りへりを返している仕上げのことです。主にミシン縫いに多く使われる手法でへり返しの角の部分の処理は

「菊寄せ」と呼ばれ革職人熟練の技です。

内側に余る分の革を順番に目打ちを使って折り曲げていき、シワを均等に分配してその上をミシンで縫っていくことで、その名の通り菊の花のようにキレイな仕上がりとなります。とても細かい上に正確さを求められる技術です。

大きな製造メーカーでも最も腕のある革職人が請け負う工程であり技の見せ所といえます。 クローム革とタンニン革両方の革で使える製法であり、名刺入れなどの革製品などの場合は コバ磨きより多い割合で用いられています。

最高級名刺入れ|コバ磨き(切り目)とは?

主にタンニンなめし革のみに使われる技法。こちらもその名の通りコバ(端)を磨いて綺麗にしていく技法です。

まず、革の端部分を荒いヤスリからどんどん細かいヤスリに替えて磨いていき、断面を出来る限り まっすぐ平らに仕上げた後、蜜蝋や着色の塗料を塗って、乾かし、塗って、乾かす、を繰り返して美しいコバを仕上げていく手法になります。

革の繊維の間に蜜蝋や着色の塗料が入りこみ、硬く固まるので、貼り合わせた部分が割れて拡がると いうことを防いでくれます。この塗っては乾かすという繰り返しが非常に時間がかかる作業で

美しいコバを仕上げていく手法です。

手間をかければかけた分だけ仕上がりの差となってでてくる部分なので、革職人の腕が試される部分でもあります。

革職人に限らず昔から腕の良い職人は仕事が丁寧。といわれてきましたが、こだわりのある職人がモノ作りに対する思いは昔も今も変わらないようです。

機械化が進む現在では作業時間とコストを短縮するためにコバ磨きの機械を使って端部分の処理をしたり海外品などでは簡単な方法を使っている量産品の名刺入れなどの革製品が多くなっています。

これらは価格が安いとしても使っていくうちに革の端部分がひび割れてきたり、めくれてくることもありますので注意が必要です。

コバ磨き(切り目)はタンニン革もしくはコンビなめしの革に使える技法であり、革の断面が整っていないクロームなめしには主に使えない技法になります。手縫いとミシン両方の縫製に用いられる革職人こだわりの技法であり隠れた装飾でもあります。

最高級名刺入れは一味違う。 美しい装飾「念入れ」

革職人の細かい作業の中でも一番といえるほど細かい作業で、念入れはその真骨頂。

この念入れをすることで強度と見た目が格段にアップします。念入れは電気コテなどで熱を加えてゆっくりと革に線を引いていく作業です。

まず、強度でいえば革の端の部分に入れることが多く、革に熱を加えることにより、革が焼き閉まり強度も増してきます。

そして見た目はつるんとした端にするより念入れをしたほうが革製品としての引き締まり具合が 全く違ってきてシャープな印象になります。念入れをしているのとしていないのでは革製品としての高級感にも違いがでるのは明らかです。これらが名刺入れなどの革製品における

こだわりを感じられる部分で美しい装飾でもあります。

それと念入れは天然の植物性タンニンなめしのみのでなめされたナチュラルレザーであるタンニンレザーしか入れることは困難です。

なぜなら熱を加えているので化学物質などが入っていると表面が溶けてきて見た目を損ないます。じっくりと時間をかけてなめされた最高級のタンニンレザーのみに許された革職人の技法なのです。

最高級名刺入れ|細部の技法のまとめ

最高級名刺入れについて今回は細部の技法についてお話ししましたが、革に詳しい方だけでなく一般の方にも革職人のこだわりの技法を知っていただきたと思っています。昔からモノ作りの良さで世界に認められてきた日本製・国産品の多くは

職人の丁寧な仕事からくる技の結晶です。

革の世界でも同じで最高級品といわれる名刺入れなどの革製品は職人の培われた技を楽しむということが品質を決めるポイントに大きく関係していて、高額であっても買う価値がある商品としてより多くの皆様に理解していただき、職人のこだわりの世界を楽しんでいただければと思っています。