熟練の職人に聞いた!手縫いの名刺入れを選ぶ利点とは?エルメスが伝承する手縫いの手法から学ぶ技

熟練の職人に聞いた!手縫いの名刺入れを選ぶ利点とは?エルメスが伝承する手縫いの手法から学ぶ技

革製品、特にビジネスシーンで活躍する名刺入れにおける手縫いの利点とは?
ミシンでの製作と何が違うのか。エルメスの革職人が伝承している手縫いの手法『クウジュ・セリエ』にも触れる手縫いの名刺入れの読み物です。

手縫いの名刺入れの何がいいのか?

革製品、特にビジネスシーンで活躍する名刺入れにおける手縫いの利点とは?
ミシンでの製作と何が違うのか。
一言でいうと…

丈夫だということです。

手縫いは、元々馬具を縫っていた歴史から始まっているので丈夫さを第一に考えられています。

糸自体もミシン糸より丈夫でしっかりとしたものを使用していて、その製法も一本の糸の両端に針をつけて、8の字を描くようにクロスして進ませていき、たとえ一本が切れてしまってもそれ以上は切れなく強度を保ったままになります。

これが手縫いの最大の利点でありミシンとは異なる点です。
さらに糸自身が丈夫で一針一針、力加減を変えて進めることができ、革と対話しながら作ることができます。微妙な力加減は職人のなせる業です。

手縫いは縫い目の良し悪しが見た目にもわかりやすく、表と裏ともに綺麗に縫い上げるには相当の技術が必要とされます。 日本製/国産の手縫い名刺入れは革職人の技術の結晶でもあります。

手縫いの製法

革は布生地などと違い縫い間違いをしてはやり直しが効きません。そこで熟練の革職人でも縫う個所に予め穴を開けてから縫っていきます。

この穴を開ける菱目打という道具はホークのような3~4本の穴を開けるものを使うのが通常の手縫いですが、1本の菱目打もあります。

この一本打ちの錐(キリ)のような菱目打を使い一針一針進めていく手縫い方法があります。それこそがエルメスの革職人が伝承している

『クウジュ・セリエ』です。

エルメスのはじまりは手縫い馬具から

世界にその名を馳せるバッグブランド「エルメス」の創業者ティエリ・エルメスは馬具を作る職人でした。

パリのランパール通りに高級馬具のアトリエを開いたのが、エルメスのはじまりだといわれています。

馬の鞍を収納して持ち運ぶための立派な馬具。革のウラと表面から太い番手の糸をクロスするように通して編み込む手縫い技法『クウジュ・セリエ』はこうして生まれました。

時代を見越したエルメスは事業を多角化し、馬車の時代は終わり、アメリカのフォードが販売を開始した自動車の時代が来る事を確信、革のバッグやベルト、財布などの製作を始めます。その後の発展とブランド化は私たちも知る限りです。

縫う箇所をあらかじめ見定め、革に一穴一穴を貫通させていき縫っていく。
大変時間が掛かり、縫い目も目立つため革職人の技量が試される難しい技です。ほとんどの手縫いの革職人でも、この『クウジュ・セリエ』は用いることは少なく貴重な革製品となります。

元々は丈夫さが要求される手縫い馬具から編み出された究極の手縫いの世界。
どの革職人もエルメスを目指しエルメスに追いつこうとしているというのが、この『クウジュ・セリエ』のすばらしさを物語っています。

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『クウジュ・セリエ』で製作された手縫いステッチが美しい名刺入れ

上の画像の名刺入れはコチラで紹介しています。商品ページへ

ピッチによって名刺入れの趣が変わってくる

ピッチとは手縫いにおける縫い目の「幅」のことをいいます。このピッチが1mm変わってくるだけで名刺入れの趣が変わってきます。

縫い目が3mmを基準にして、それと同等もしくは狭いとステッチの美しさが際立ち男性向けのビジネス用名刺入れなどによく合います。縫い目が狭いと縫う箇所も多くなり難しくもなるので高級名刺入れとなります。手縫いの名刺入れ自体が少なく、美しくステッチが際立っているものはそれだけで希少と言えます。

ステッチの幅が広いものはカジュアルな要素がある革製品となります。
財布やキーケースなど手縫いの温かみが感じられるステッチは男性を中心に人気が高く、その丈夫さからおすすめの革製品でもあります。

手縫いの名刺入れの価値

総手縫いの名刺入れは、熟練した職人が一針一針、手作業で造るため1日で数個しかできないとても貴重な革製品です。

手縫いにする目的は長く愛用してほしいとの革職人の思いからで、それを実現するには植物性のタンニン剤のみでなめされたフルベジタブルタンニンレザー(ヌメ革)との相性は最高です。

ヌメ革の中でも革にオイルをたっぷり浸み込ませたオイルレザーは、使えば使う方に艶感が増しエイジング(経年変化)を楽しめる最高級レザーで、手縫いの温かみとともに長らくお使いいただくに値した革と言えます。

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革職人こだわりの手縫い名刺入れ

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まとめ

こころを込めた仕事。
手縫いにかける革職人の仕事は培われた技の世界です。

それを垣間見ることができる小さな名刺入れは、自らの顔ともいえる名刺を収めておく男性の持ち物として長らく一緒の時間を育んでいくでしょう。