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一生ものの長財布ってどんな財布?
「長財布は良いものを買うと一生使える」「春に財布を買い換えると縁起がいい」財布に関してよく言われることですが、これらは本当なのでしょうか?
「一生ものの長財布」日本人の寿命は医学の進歩と共に伸びてきていまして、さすがに一生使えるという保証は難しく、一生もの=(イコール)長く愛用できる長財布ということで考えていくと見えてくるものがあります。
「エイジング(経年変化)を楽しむための革」
「縫製を含む革職人のこだわり」
まず、長く愛用できる長財布を購入する前にチェックしておきたいポイント、この二つが重要になってきます。
革を選ぶ・どんな革を使用しているか
「エイジング(経年変化)を楽しむための革」とはどんな革か?それは植物性のタンニンのみでなめされたフルベジタブルタンニンレザー(ヌメ革)をおすすめします。革のなめし方法には主に3つの方法があり、それぞれの特徴があります。
クロームレザーの特徴
この革のメリットは早く、質の良い革を作ることが出来る点で、靴やバッグ、車の内装、ソファなどのインテリア用品、スポーツのボール、服飾小物など、現在では9割以上がこの方法の革です。
薬品を使ってなめしていて仕上げにも塗装などを施して、光沢感を出していますので、色が映えて綺麗な仕上がりになりますが、エイジング(経年変化)はしません。
つまり出来上がりが最高の状態でそれ以上の美しさはないというのがクロームレザーの特徴です。なめし時間が短く、その分安価で生産できることから生活の中で使う革製品としてあらゆる用途に利用されている便利な革ということになります。
フルベジタブルタンニンレザー(ヌメ革)の特徴
すべて天然成分で作られていることから、出来上がるまでに時間を要し、その分ナチュラルな革そのものの風合いになるエイジング(経年変化)を楽しむための革です。
タンナー(革の作り手)が長く愛用できるためにと作られているため、こだわりの製法により 丁寧に作られています。
「オイルをたっぷり浸透させたオイルレザーは最高級革」
オイルレザーは革にオイルをたっぷりと吸い込ませているため、使っていくうちに自然と中のオイルが溶け出し艶感が増し、最高のエイジング(経年変化)をもたらしてくれる革好きに人気の革です。
少々の傷がついても指でもんでいくとオイルが溶け出し、コーティング膜を作って傷をわからなくしていきます。 これは長く愛用していくという点ではおすすめする部分であり、価格は高くなりますが、ぜひ体感していただきたいと思う革です。
薬品を使っていませんので革の繊維がびっしりと詰まっていて硬く、カチッとしたメンズの財布や 名刺入れ・キーケース・パスケースなどの革小物に適しています。
ブッテーロやミネルバリスシオなどのイタリア革のブランドレザーもオイルレザーになります。
混合なめし(コンビなめし)レザーの特徴
クロームレザーとフルベジタブルタンニンレザー(ヌメ革)の良いところを合わせて作った革です。一部薬品を使い、時間を早く仕上げてヌメ革の最大の魅力であるエイジング(経年変化)も実現した正に実用的な革です。
長財布の縫製とコバ磨きは丁寧か
縫製のポイント
長く愛用できる長財布にとって革と同じくらい大切なのが、縫製と細部を丁寧に加工されているかという点です。 縫製が丁寧でないとどこかの部分がほつれてきて糸が取れてきてしまいます。ミシン縫いならよく使う箇所、カード段や札入れ部分の出し入れ口を補強のため二度縫いしているかが重要になってきます。
財布や革小物などの場合は必ずよく使うか箇所というのがあります。
その部分は製作する革職人はわかっているものなので、そういった配慮があれば良い革製品と言えます。
手縫いなら二本の糸を重ねて縫っていくため、一部がほつれてもそこから次々にほつれてくることはありません。丈夫であることは手縫いのメリットでもあります。
コバ磨きのポイント
コバ磨きとは革の端部分の処理のことです。革を裁断してそのままにしておくとボソボソしてきて見栄えが悪くなります。主に二つの処理方法があり「へり返し」「コバ磨き」です。
「へり返し」は熟練の革職人がもたらす素晴らしい技ですが、ミシン縫いになりますので、どうしても糸がほつれてくる可能性があり、修理が可能なお店で購入されることをおすすめします。人間でも体が悪くなったら病院に行くのと同じように、長財布も長く使っていくと修理が必要となってくることは避けられないようです。
「コバ磨き」は革職人の魂が宿るともいわれる技法で、革の端部分を磨いて綺麗にしていく方法です。時間を掛けて丁寧に仕上げるほどにコバ部分が強くなり、長く使っても割れなどを抑えてくれます。革職人の腕が試される部分で長く愛用できるかの重要なポイントになります。
近年では機械を使ってコバを磨いている財布や革製品が多くなっていますが、革職人が丁寧に磨き上げたコバは長く愛用するということでは、手作りの技が光りおすすめです。
日本製/国産のメンズ長財布は品質の良さからおすすめ
先程も述べたように革職人は使う方が良く使う箇所を把握しています。修理箇所が少ないように設計している長財布は消費者にやさしく、もし故障しても修理を請け負うということは革職人のプライドでもあります。
長財布の修理を受け入れてくれるかということも考慮して購入されれば安心感も増してそのお店との長いお付き合いができそうですね。
こういうことを踏まえると、日本製/国産の長財布をおすすめします。
日本製/国産の革職人が作りだす長財布は丁寧な縫製と作りになっていて、商品の品質チェックも怠りません。私たち日本人に継承された仕事に対する忠実さがもたらしたものではないでしょうか。
長く愛用したいなら長財布の使い方が大事
これは、いくら革が良くて縫製や技法も良くても使う方の使い方がやさしくなければ、長く綺麗な状態で愛用するということは難しくなります。
長財布のタイプとしては、小銭入れが付いているタイプより、小銭入れが付いていない札入れタイプの長財布をおすすめします。
札入れタイプの長財布ならお札とカード段というシンプルな作りになっていて、小銭入れがないために型崩れを抑えることができます。
メンズ札入れは紳士向けの財布で「薄い」ということにこだわりを置いた大人の男性に人気の長財布です。
普段のお手入れを大切に
高級革を使った長財布はお手入れをすればするほど応えてくれます。「革を育てる」という楽しみを持ち合わせた革なので、普段のお手入れを大切にすれば、自然と財布の扱いもやさしくなり綺麗に保てることができます。
本当に良い財布はここまで違うのか… と改めてわかる時でもあります。
革好きの人は、レザー製品の楽しみはお手入れにあるとも言われます。
休日に自分のお気に入りの長財布を磨いていくというのは大人の男性の贅沢な楽しみのひとつですね。
まとめ
一生ものの長財布とはそれに成り得るポテンシャルを持った長財布で、大切な持ち物として大事に毎日を共に過ごすという先にあるようです。ぜひ、長く愛用できるお気に入りの長財布に出会えればと思っています。