お札を挟んでコンパクトに収納できる、マネークリップ。極薄型の財布として、ミニマリストからの人気が上昇しています。
カードや小銭が入るタイプもあり、おしゃれなデザインが注目されていますが、実は使い方がよくわからない人も多いようです。
そこでこの記事では、マネークリップがミニマリストから人気を集めている理由やマネークリップの基礎知識を紹介します。
目次
1.マネークリップって何?
マネークリップとは、お札を挟むためのクリップです。欧米では馴染みのあるマネークリップですが、日本ではこれまでそれほど普及していませんでした。理由は、チップ文化にあるといわれています。欧米では外食やショッピングのシーンなどで店員にチップを渡す文化があり、1ドル札などを素早く出せるマネークリップが便利なのです。
日本ではお札の最低額が大きく、小銭がよく使われています。これに対して欧米では、お札の最低額が日本より小さいのもマネークリップが普及している理由の1つ。小銭よりお札を使う人が多く、マネークリップが重宝されています。
しかし、ここへきてマネークリップが日本でなぜ注目されているかにも、納得の理由があります。理由の1つと考えられているのが、キャッシュレスの普及です。現金を持ち歩かず、クレジットカードやICカードなどで支払いをするほうが効率的で安全です。多忙な現代人には、サッと会計を済ませられるかどうかは重要ポイントです。
会計が早いだけでなく、持ち物がスマートになる点もポイントが高そうです。キャッシュレスが普及する前には、マネークリップをお札入れとして使っても同時に小銭入れを持ち歩く不便さがありました。キャッシュレスで会計すれば、小銭を持ち歩く必要がありません。そのようなことも、マネークリップの人気上昇の一因です。
マネークリップが注目されるようになり、カードや小銭を入れられるタイプも出てきています。キャッシュレスが浸透してきていても、現金が必要になるシーンがあるかもしれません。
万一の時に備えて、お札や小銭を予備として入れておけるマネークリップは安心して外出できる相棒のような存在にもなってくれます。
2.マネークリップのメリット
マネークリップが普及するには、それなりのメリットがあるからでしょう。実際に使ってみて便利と感じる点があるからこそ、愛用者が増えてきているのではないかと考えられます。ここからは、どのような点にメリットを感じてマネークリップが使われているのかを紹介します。
2-1.薄くて軽い
マネークリップは、一般的な財布に比べるとコンパクトなサイズです。三つ折りタイプのミニ財布よりも小さなサイズで、手のひらにおさまってしまうほど。コンパクトで軽いうえに、薄さも魅力です。ボトムスやスーツの内ポケットにもスッキリしまえて、服のラインを崩しません。
サイズの大きい財布は、ポケットに入りきらないことがあります。無理やり押し込んで取り出しにくくなったり、衣服を傷つけてしまっては大変です。財布が重くてポケットがたるんでしまうのも、全体像を不格好にしてしまいます。マネークリップにすると、全身がスマートでおしゃれなスタイルに変身します。
マネークリップを使えば荷物を最小限に抑えられるので、身軽に行動できるのも利点です。いつも大きなバッグを持つ習慣があり、ついついたくさんの荷物を詰め込みがちな人は、マネークリップでミニマル化を図ってみると少ない荷物で行動できるようになるかもしれません。
オフィスからランチに出るときにも、マネークリップをポケットに忍ばせて手ぶらで外出することが可能。大きな財布を片手に持って歩くスタイルからは、卒業できます。
2-2.余計なカードが減り支払いが楽になる
マネークリップは便利なアイテムですが、長財布や二つ折り財布のような通常の財布と比べると収納力はそれほどありません。ただし収納力が低いことは、マネークリップのメリットでもあります。
たくさん収納できる財布を使っていると、クレジットカードやポイントカード、レシートや会員証など何でもしまってパンパンになりがちです。マネークリップにすると最小限のものしか収納できないため、自然と余計なものが減っていきます。整理整頓下手な人でも、いつの間にかミニマリストになれるのはマネークリップのおかげです。
いつも持ち歩くカードが限定されてくると、支払い方もスマートに絞られます。所有しているカードをフルに使っているのでなければ、実際によく使うカードを残して他は断捨離してしまえばライフスタイルそのものに無駄がなくなります。
ただし、出番の多いカードの枚数分は収納スペースが必要です。マネークリップを購入するときは、あらかじめ必要なカードスペースをチェックしておきましょう。
2-3.ビジネスシーンでも使うことができる
マネークリップの薄さや小型さは、使用する人をビジネスシーンで恰好よく見せてくれます。パンパンにふくらんだ財布をお尻のポケットに無理やり押し込んでいる姿は、スマートとは言い難いものです。マネークリップに貴重品をコンパクトにまとめることができれば、スッキリした着こなしでおしゃれなスタイルに見えます。
重くて大きい財布のために、バッグのスペースを用意する必要もなくなります。パツパツの財布はお金やカードがたくさん入っているようにも見えて、盗難被害に遭うリスクも高まります。お金や大事なクレジットカードをどこに持っているのか、他人からは見分けがつかないくらいのほうが安全性も高くなるでしょう。
マネークリップを使い始めると、身軽になります。かさばる財布を意識して動きが制限されることがなくなり、行動範囲が広がったりフットワークが軽くなることもあるでしょう。ビジネスシーンでは、柔軟に動き回れることが良いイメージにつながります。
仕事の仕方にも、良い変化が訪れそうです。イメージアップの効果では、上質な素材を使ったマネークリップが貢献してくれます。本格的な革製のマネークリップは、紳士的な気品を醸し出してくれます。持つ人にも、同様の印象を与えてくれます。エレガントな雰囲気があるにもかかわらず、比較的リーズナブルに購入できるのもマネークリップならではのメリットです。
スマートに収納できるだけでなく、スマートに支払いができるのもマネークリップの特徴です。必要なときにお札をサッと出して支払いをする人は、カッコイイもの。しかも出した札入れがスリムなマネークリップとあっては、おしゃれなセンスに周囲から一目置かれそうです。
3.マネークリップのデメリット
マネークリップは、メリットばかりのようでいてデメリットもあります。ただし、人によって感じ方や使い方が異なるため、万人にデメリットになるとは限りません。デメリットと感じないような使い方をすることも可能です。本段落では、マネークリップのデメリットになる得ることや注意しておきたい使い方についてお話します。
3-1.小銭入れが別途で必要になる
キャッシュレスが普及し始めた日本ですが、現金払いしか受け付けていないところもまだまだあります。現金払いのほうが楽と感じている人も少なくありません。一部キャッシュレスを利用しながらも、小銭を持っていないと不安という人もいるのではないでしょうか。
スタンダードなマネークリップは、紙幣のみを挟むスタイル。小銭を持ち歩くためには、別途小銭入れを用意する必要があります。そのため、逆に荷物が増えてしまうと感じるかもしれません。
キャッシュレスをフル活用して、小銭での支払いはすべてキャッシュレスに頼ればよいのではないかと考えることもできます。しかし、災害時など緊急で小銭が必要になる可能性もあります。そんな不安から、小銭入れを手放せない人もいるでしょう。
海外ではコインの最大単位が日本と比べて大きめです。例えばアメリカには25ドル硬貨がありますが、日本では500円硬貨が最大の金額。硬貨が流通していない国もあり、諸外国のマネークリップ普及事情と単純には比較できません。
マネークリップの中には、小銭入れが付属しているタイプがあります。しかし、通常の小銭入れほどのスペースはなく、小銭を入れにくく出しにくいとなってしまうかもしれません。せっかくマネークリップを使っているのに、支払いにもたつくのは避けたいところです。マネークリップ自体の型崩れにもなりかねないため、慎重に検討することをおすすめします。
3-2.お札を折りたたむのが面倒
マネークリップを使うにあたって気になる可能性があるのが、紙幣に折り目が付くことです。もともと様々な人の間を循環しているのだから、傷が付こうが折り目が付こうが仕方がないと思える人には問題ないでしょう。しかし、お金に折り目が付くのを不快に感じる人もいます。
新品のようにきれいなお札をピンとした状態で財布に入れておくと、お金に失礼がなく縁起が良いと考える人もいます。マネークリップではどうしても折り目が付いてしまうため、ピン札を手に入れても折りたたまずには済まないのです。
日本には古くから包む文化があり、お年玉はポチ袋に入れて渡したり冠婚葬祭でも祝儀袋や不祝儀袋が用いられています。お金を剥き出しにすることを良いマナーとは思わない風習があり、マネークリップのようにどのくらいお金があるかが周囲に見えてしまうスタイルに違和感を覚える人もいるのです。
こうした風習は、特に年配の人に根付いている傾向があります。ビジネスシーンでマネークリップを多用していると、上司や取引先の偉い方に抵抗を持たれてしまうかもしれません。マネークリップのデザインを考慮するなどして、お札を見せびらかすような行為に見えないようにしたほうがよいでしょう。
マネークリップにお札を収納するときは、紙幣を折りたたむ必要があります。急いでいるときなど、通常の財布のようにお札を素早くしまえないかもしれません。あらかじめお札を折りたたむ手間が面倒になり、マネークリップを使いにくいと感じてしまう可能性もあります。使い慣れれば大した手間ではないため、便利な使い方はしっかり覚えておくことをおすすめします。
4.なぜミニマリストはマネークリップを使うのだろうか?
断捨離をする人が増え始めてから、ミニマリストを目指す人も増えています。ミニマリストとは、持ち物を最小限に抑えた暮らしをする人のことです。
もともとはアメリカの富裕層から発生したライフスタイルだといい、厳選された上質なものだけで生活するスタイルを意味していました。現代の日本には、物があふれた中で暮らしている人が数多くいます。一見便利なようでいて、実は不要な物に埋もれて暮らしていることもあり、本当に必要なものが見えなくなりかねません。
シンプルな生活スタイルをすることで些細な出来事にも喜びや幸せを感じられれば、人生はより良いものになるでしょう。
必要最小限の物だけで暮らすライフスタイルを心掛けているミニマリストには、お金の持ち方や使い方がシンプルになるマネークリップが打ってつけ。ほとんど出番のないポイントカードを大量に持ち歩く必要もなく、必要最低限の決済用カードや紙幣のみで身軽に出歩けます。
使うカードが少なくなれば、支払い方法がシンプルになります。どのくらいのお金を使っているか把握しやすくなり、何枚ものカードで必要以上にショッピングすることすら防げるかもしれません。
ミニマリストに憧れているものの、何から始めたらよいかわからないという人をもマネークリップは助けてくれます。従来の財布をマネークリップに替えるだけで、お金の使い方に変化が生じてきます。
見た目や身のこなしもスマートになり、イメージアップにより人間関係も変わってくるかもしれません。いつの間にかミニマリストになることができれば、ミニマルな生活を心掛けて我慢したり苦労するようなこともないでしょう。
ミニマリストにとっては、余計な出費も抑えたいところ。その点、マネークリップは上質な素材を使っていても比較的リーズナブルです。通常の財布と比べると、使用する生地やパーツが少なくて済むのが低価格の秘密。
最小限の出費で従来の財布からマネークリップにチェンジできるなら、ミニマリストとしてのスタートにふさわしい第一歩といえるのではないでしょうか。
5.マネークリップのタイプ別の特徴
ひと口にマネークリップといっても、様々なタイプがあります。タイプ別に使い勝手や特徴が異なり、好みのタイプと出合うことが大切です。本段落では、マネークリップのタイプ別に特徴を紹介します。コンパクト型・マルチ型・二つ折り型と3種類それぞれにどのような特徴があるか、見ていきましょう。
5-1.コンパクト型
マネークリップの中でも最もオーソドックスといえるのが、コンパクト型です。その構造は、三つ折りにしたお札をクリップで挟み込むスタイル。クリップが外側に付いていて、お札を無造作に挟むことができます。
使い方の特徴としては、紙幣をクリップに挟む前に三つ折りにする必要があること。丁寧にでも雑にでも、お釣りの紙幣を受け取ってたたむ工程はひと手間です。また、基本的にコインを収納できない構造が多く、小銭入れは別に用意しなければならないでしょう。
徹底したキャッシュレスにしたい、すべての支払いをお札のみでしたいという人にはおすすめのタイプです。
コンパクト型に多いのが、金属製のモデル。そのため高級感が出やすく、安っぽいイメージからは逃れられます。ただし、カードを入れるスペースにもあまり期待できないため、何枚かカードを持ち歩きたい人は別途カードホルダーを用意したほうがよいでしょう。
5-2.マルチ型
マルチ型のマネークリップには、二つ折り財布程度のサイズが多めです。ある程度のサイズがありながら、薄い財布を使いたいという人に好まれています。
コンパクト型と違う点は、お札を内側にしまい込めるため剥き出しにならないこと。外側には小銭を入れられるコインポケットも付いていて、マルチに使いこなせます。いってみれば、オールインワンスタイルのマネークリップというところです。
使い方の注意としては、コインを入れ過ぎないようにするのがポイントです。小銭入れが付いていると、何となくコインを貯めこんでしまうことがあります。スペースがあるからといって通常の財布のように硬貨を入れていると、薄いマネークリップを選んだ意味がありません。
また、マネークリップの型崩れの原因にもなりかねないため、注意が必要です。コインポケットが付属する分、値段が高くなることも特徴の1つです。
5-3.二つ折り型
二つ折り型のマネークリップも、通常の二つ折り財布によく似た形です。お札を内側でクリップ止めし、外側から見えないようにしておけます。マネークリップはお札が剥き出しになってしまうから抵抗があるという人には、二つ折り型がおすすめです。
カードの収納スペースもあり、上手にキャッシュレス生活を送れます。ただし、カードの枚数が多くならないように注意しておかないと、スマートなマネークリップにはなりません。
二つ折り型のクリップは、可動式です。クリップを動かしてお札を挟み込み、生地部分を二つに折りたたんで使います。出し入れしやすく、所持金がどのくらいあるかも確認しやすいマネークリップです。
通常の二つ折り財布より、時短で使えるメリットもあります。二つ折り財布の中でも、小銭入れが付いていないタイプが純札入れ。純札入れからお札を入れるポケットをなくしてクリップを付けたのが、二つ折り型のマネークリップです。
6.マネークリップを選ぶときのポイント
マネークリップのメリットとデメリット、種類がわかったところで選び方について見ていきましょう。どのような点に気を付けてマネークリップを選べばよいのか、素材・形状・機能に分けて紹介します。
6-1.素材
マネークリップに使われている素材は、大きく分けて革製と金属製の2種類です。見た目や感触の好みで選べばよく、見た目の点では周囲から見たイメージも考えてみるとよいでしょう。
革製には落ち着いた雰囲気や温かさを感じることができ、金属製には未来的なスタイリッシュがイメージされます。洗練さやスマートな印象は、どちらにも感じることができます。革製にはカラーバリエーションが豊富ですから、カラーでのイメージを優先させるのもありです。
デザイン面では、どちらかというと革製のほうが工夫できます。ロゴや名前を刻印できるのも、金属製より柔らかい革ならでは。一方、金属製にはチタン・シルバー・ステンレスなどの種類が豊富で、異なる質感を楽しめます。
6-2.形状
マネークリップの形状は、クリップ型・二つ折り型・マルチ型の3種類に分けられます。先に紹介したコンパクト型がクリップ型の別名で、マネークリップの中でもごくシンプルな形状です。
無駄のないデザインかつ軽量で、お金を持ち歩いているという意識をなくしてしまいそうなほどミニマルなマネークリップといえるでしょう。スタイリッシュな見た目でもあり、マネークリップを見慣れない日本人には使用する姿が斬新に映るかもしれません。
二つ折り型のマネークリップは、お札をクリップで止めてから生地を二つ折りにして持ち歩きます。お札が剥き出しにならないこと、薄型でスマートに使いこなせることがポイントです。通常の二つ折り財布によく似ていて、マネークリップを使うのが初めての人でもとまどうことなく使いこなせるでしょう。ポケットに入れてもお札の形が崩れにくく、きれいなままで紙幣を持ち歩けるという特徴もあります。
マルチ型のマネークリップは、お札の他に小銭もカードも一緒にして持ち歩きたい人におすすめです。欲張りな形状をしているため通常の財布に近い使い方ができる一方で、クリップに挟んだり外したりとお金の出し入れはスムーズ。
小銭入れのみ付いているタイプ、カード入れのみ付いているタイプなど様々な種類があるため、必要なパーツを選びましょう。一方で、小銭やカードで膨れることが多いのでマネークリップにスマートさやコンパクトさを求めるのであれば適さないため注意してください。
6-3.機能
マネークリップの機能も好みによって分かれますが、機能が増えれば増えるほどミニマリストらしさからは遠ざかっていきます。マネークリップがミニマリストを引き付けているのは、シンプルでスマートだからこそ。
必要な機能はよく吟味して、断捨離できそうなものは省いてみてください。自分の必要最低限を判断しにくい場合は、一度一番シンプルな機能にしてみる手もあります。最も少ない機能のマネークリップを使ってみると、本当に必要な機能が何かわかってきます。
機能面と素材面にも、関係性があります。金属製には凝ったデザインのタイプが少なく、ごくシンプルにお札を挟むだけの形状が多めです。これに対して革製には、通常の財布に近い機能を持たせやすい特徴があります。
特に収納力では革製のほうが優位で、小銭やカードを余分に持っておきたい人は革製でお気に入りが見つかる可能性大です。金属製にもカードや小銭を入れられるタイプがありますが、出し入れのしやすさでは不自由を感じるかもしれません。
素材の柔軟性は、機能にも関わってきます。革のように柔らかい素材のマネークリップは、コインポケットの開閉がしやすく手間取らずに使えます。衣服のポケットに入れても、体の動きに合わせてフィットしてくれる快適さが特徴です。
しかし、硬質な金属製にはハードな材質ならではの型崩れしないスタイリッシュなメリットがあります。より薄型で、お札をしっかり止めておける機能を備えているのも金属製ならではです。
機能と素材の組み合わせは、使用シーンやファッションに合わせて選ぶこともできます。ビジネスシーンやデートシーンなどでスマートな演出をしたい場合は機能がシンプルでスピーディーにお札の出し入れができる金属製のマネークリップ、カジュアルシーンでおしゃれに決めたいときは革製のマネークリップなど、想像をふくらませて選ぶことでより効果的な使い方ができるでしょう。
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ミニマリストになぜマネークリップが人気なのか、またマネークリップがどのようなものなのかについて理解できたでしょうか。
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