知られざる革職人こだわりの世界を覗いてみよう

知られざる革職人こだわりの世界を覗いてみよう
革職人こだわりのコバ磨きの様子

私は商売柄何人もの革職人と出会い、一緒に仕事もしてきてわかったこともあります。 といっても職人の世界は奥が深く、まだまだわからない部分の方が多いのですが、職人の仕事と心意気、良い職人に共通する条件などの隠された世界に迫ってみたいと思います。

今回は職人の世界と心意気をご紹介していく読み物として、題して 【革職人特集】Vol,1です。

腕の良い職人に必要な要素とは?

職人の世界はこだわりのモノ作りを追及することですが、実際にイメージしているものを完璧に立体化することは難しい作業です。技術を磨くことでしか会得できない職人の世界は己の厳しさで開かれる道です。

そのひとつが慢心しないということで、同じものを何個も何個も作り続けても、昨日作ったものより今日の方が進歩している。人にはわからない小さなことだけど進歩しているという向上心です。

職人の世界は地味でコツコツした仕事の連続で、それを毎日毎日積み重ねることにあり、それが出来る人のみ腕の良い職人となっていきます。

日々人に評価されにくい自分だけの技術の向上で、それが積み重なってやがては多くの人に受け入れられる作品をつくることができる職人へと成長していきます。

もうひとつ柔軟であるということも実は腕の良い職人に重要な要素です。
自分だけの世界で自分の作りたいものだけ作っていても技術の向上はありません。
モノは誰かに買ってもらって初めて商品になるわけで、購入してくださるお客様や販売してくれる販売店の意見を聞かない職人は、その時点で成長は見込めません。

ここでも慢心はよくないということで、お客様や販売店はもっとこうしたらよくなるとアドバイスをくれています。本物の職人は人の意見に耳を傾け、それに応える技術革新を試みる人であるといえます。

新しいことはチャレンジでもありますが、それを乗り越えれば自分の技術にもなるという素直な向上心が技術を支える土台となっていきます。腕の良い職人になるにはその人が持っている才能だけでなく、心意気が大事になってくるようです。

自分の作ったものに多くの人が喜んでくれるという幸せ

革職人の場合、熟練の職人に技術を学ぶか独学で学ぶかが多く、独立したもののそのほとんどの人が食べていくのは難しいです。好きなことで食べていけるというのは本当に幸せなことで、仕事があればいいのですが、多くの場合はそうとは限りません。

腕が良く人に恵まれている人だけが続けられる厳しい世界で、途中で廃業していく人も少なくありません。それゆえに長くその道で続けていけている職人は価値があり、技術も評価され国や都道府県から表彰されることもあります。

厳しくも職人ということを生業にしている最大の喜びは何と言っても
自分の作ったものに多くの人が喜んでくれるという幸せです。

であるといえます。 こだわって作ったものが毎日お客様の身の回りの物として活躍してお気に入りのアイテムにあることは、やはりこの上ない幸せであるといえます。

私の店【革ee.com】でもお客様からのお礼のメールやレビューをいただくことは実は革職人はすごく喜ぶのです。対面販売と違いお客様の生の意見を聞くのは本当にうれしいようです。

今回は、職人の世界をちらっと覗いてみました。またの機会には革製品に実際に使われている職人の技法について迫ってみたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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